55億円もの被害が出た実際の事件「積水ハウス地面師詐欺事件」を題材にした新庄耕の小説をドラマ化。
2024年7月、Netflixで公開されると、あっという間に話題となりました。
監督は『モテキ』『エルピス』など話題作も豊富な大根仁。
主演 綾野剛、豊川悦司 その他出演者に 北村一輝、小池栄子、ピエール瀧など大物キャスト。
音楽を担当する石野卓球はまさかの劇伴初挑戦ということで見る前からワクワクがとまりません。
全7話イッキ見する人続出です。
あらすじ
2017年東京。辻本拓海は大物地面師・ハリソン山中と出会い、彼のもとで不動産詐欺を行っていた。
ハリソンをリーダーとする地面師グループが次に狙いをつけたのは、市場価格100億円という前代未聞の案件だった。
土地開発を焦る大手デベロッパー、地主、警察。
100億円の土地を巡りそれぞれの思惑が交錯するクライムサスペンス。
ストーリーの序盤
全7話イッキ見したので極力ネタバレなしで序盤の感想を語ります。
1話では若手社長(駿河太郎)が全権を握るマイクホームズというハウスメーカーに地面師詐欺をしかけます。
短い話ですが、ここで「地面師詐欺とは」というチュートリアルとしての役割を果たしています。クライムものとしての緊張感や爽快感が詰め込まれたストーリーで、ここで悪者である主人公たちにグッと親しみを感じてしまいます。
そしていよいよ場面は100億円詐欺の舞台に。
土地の剪定から準備段階が丁寧に描かれます。そこに定年間近の刑事(リリー・フランキー)と新米刑事(池田エライザ)がハリソン山中の動きを感じて独自に捜査を開始します。
狙う土地は歴史あるお寺に隣接する施設と大きな駐車場。土地の全貌を空撮で見せてくれるので「東京にこんな土地が!?」と「100億円」という規模を視聴者にリアルに感じさせます。
地主の尼さんになりすますために尼さんの調査も始まります。
そこから尼さん側のドラマ、騙される大手デベロッパーの石洋ハウスの事情も加わり物語も広く深くなっていきます。
そして、主人公・拓海の物語も。どうして地面師になったのか、過去は、そして結末は。
詐欺の話なので会話劇は多くなるのは必然ですが、計画を練るシーンもダレることなく見れました。作戦も登場人物もシンプルなので途中で「あれ?なんだっけ」とはならずに最後まで勢いで楽しめました。
注意事項としては、暴力シーンやセクシャルなシーンもあるので家族でみるのは気まずいと思います。
「配信ドラマだから地上波でできない表現をいれたんでしょう?」とか言われがちですが、私的にはそのシーンなしでは説得力や面白さが半減してしまうと思います。苦手な人も頑張って乗り越えて全編みてほしい作品です。
ネタバレありの感想
ここからは全7話見た人向けの感想となります。ぜひ視聴してから読んでください。
地面師側のキャラクターを深掘りするシーンはなかったはずなのに、表情やリアクションで人物像が浮き彫りになったいたので寄り道せずにあっという間にラストまで辿り着けました。
ホストの件は原作小説にはないそうですが、楓が菜摘を沖縄へ連れ出す一連の流れはかなり説得力があって好きなシークエンス。
何度も詐欺だと見抜くきっかけがあったのに石洋ホームの都合で見逃されたのも面白い。それが実際の事件が元になっていることも驚きです。
青柳は騙される役で本来なら視聴者が味方につく人物なのですが、大手のデベロッパーで派閥争い中でパワハラ気質でマッチョという数え役満の嫌われキャラクター。「騙されないで!」「騙されろ!」と同時に相反する感情が湧いてきて不思議な気持ちになりました。
青柳のライバル須永が「騙されてないか?」と青柳を詰めるシーンも、もしかして青柳の心配しているのではという友情を感じさせるが青柳はハイになって突き進むというシーンも複雑な気持ちで見ていました。
「詐欺師は殺しをしないからハリソンのキャラクターはリアリティがない」とも言われますが、
だけどあのハリソンの「人間やめました」的なキャラクターがドラマとして面白くなっていると思います。
特にキレてるのは沖縄の一連の行動。
空港で竹下を拘束できるなら、確実に竹下が楓を殺して菜摘を東京へ帰すという行動も止められたはず。菜摘を逃したのも、トイレに死体を放置したのも、竹下を殺したのも全部ハリソンが「ヒリヒリしたい」からだけ。詐欺行為もお金ではなくそのスリルを味わいたいという狂った人物がリーダーというのがこの物語を面白くしていると思います。
地上げ屋の林はハリソンの怖さも知った上で深く関わらず小銭稼ぎをしたつもりだったのに結局殺される
オロチはバカだから殺される
さらに仕事のできる麗子も後藤も殺されて
「死人がゴロゴロ出るようなヤマ」をやりたいとは言ってたけど、ほとんどお前が殺してんじゃん!というのもご愛嬌。
まとめ
小説は続編が出ているので第2弾のドラマもあり得ると思います。
しかし、今回の主要キャストが軒並み死んでるのが問題。
視聴者的には大好きになってしまったあのキャラクターたち抜きに物語が成り立つのかという不安があります。
瀧さんの「もうええでしょ」が聞けないなんて。
でも大根監督なら次も納得のキャスティングを組んで満足させてくれそうですよね。
投稿者プロフィール

-
エンタメが大好きな管理人によるオンデマンド生活をご紹介します。
芸人のバカリズムとヨーグルトが大好物。
最新の投稿
ドラマ・映画感想1月 31, 2025【TVプロデューサー】佐久間さんのエンタメランキング2024【ドラマ編】
ドラマ・映画感想1月 27, 2025【TVプロデューサー】佐久間さんのエンタメランキング2024【映画編】
ABEMAプレミアム1月 23, 2025【千鳥】チャンスの時間はどこで見れる?
disney+9月 27, 2024【エミー賞18部門制覇】SHOGUN 将軍はディズニープラスで配信中